Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

地方行政のIT化の成功とその影

本日はこちらの記事。

 

forbesjapan.com

 

全国の自治体で、ITやデザイン分野で実績と能力のある民間企業からの人材登用が進んでいる。自治体側のメリットは理解できるが、転職した人たちは、いったい何を得ているのであろうか。

 

民間企業からの人材登用で自治体のIT化が上手くいきました!という話。

これ自体は素晴らしいことだと思うのですが、これをモデルにしてしまうとお金のある自治体とお金のない自治体の差がどんどんと広がってしまうのではないかと思いました。

 

民間企業から人材を呼べるというのはそれだけ財源があるということだと思いますし、記事にあげられているような自治体(名古屋、仙台、姫路、豊橋、春日井)も人口の多い自治体ですのでそれだけ財源に余裕があるのかなと思います。

 

人口が多く財源に余裕のある自治体はIT化に伴いより高度なサービスを提供できるようになって、人口が少なく財源に余裕のない自治体はIT化が進まず、行政サービスの格差が開いていってしまうように思います。

 

そうなれば、地方は衰退し、都市圏にますます人が集まることとなります。東京一極集中化が問題視されている一つの要因として、日本は災害大国である、ということがあげられます。

 

もし東京で大規模な災害が起こった際に、被災する方があまりにも多いです。そうなれば経済的に大きな影響が出ます。人命を救い、経済的な被害を抑えるためにも自然災害の多い日本では人口を分散させることが必要であると思います。

 

さらに災害支援や復興事業を行う際に被災した地域だけでは絶対にできません。必ず、周辺地域、被災していない地域からの支援が必要となります。しかし、人口集中させ、地方に人がいない、十分な供給能力がなければ災害支援や復興事業にも大きな影響が出てきます。

 

こういった理由から日本では出来るだけ地方間の格差をなくして、人口がある程度分散して住んでいる状態が私たちの生活の安全を考慮した上でも合理的といえます。

 

地方交付税交付金がどんどんと削減されている中で自治体も必死の想いでこういった策を練っているのだと思います。また地方行政の改善のために働かれている方も素晴らしいと思います。

 

しかし、やるのであれば自治体もしくは「伝道師」と呼ばれる方、組織が国からお金を貰って行う必要があるように思います。IT化を進めるために公務員の数を増やしていくなども検討するべきことと思います。

 

最後に吉永さんがこのように述べています。

 

「コロナ禍もそうだが、危機が起きると行政には負荷がかかる。自治体が頑張れば、国民全体が助かるのに、現実には動ける職員が少ない。しかし、少しのきっかけで職員は変わる」

 

特別定額給付金(10万円給付)のように政府は政策を決定しますが、実際に業務を行うのは地方自治です。自治体によって給付のスピードにかなりバラツキがありました。IT化による業務の効率化もそうですし、職員数を増やして、もっと平時に余裕をもって働ける環境づくりをしていくべきではないかと思います。

 

毎回の事になりますが、日本は財政破綻に陥ることはないですから、大規模に財政出動を行って地方行政の改善に取り組んで欲しいと思います。それが私たちの生活を守ることにつながるのではないでしょうか。

 

政府が地方行政の改善にお金を出すことを祈ります。