Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

気になったニュース~日本学術会議と財政出動~

本日は気になったニュースをいくつか取り上げたいと思います。

 菅首相、推薦リスト「見てない」 会員任命で信条考慮せずー学術会議会長と面会も

www.jiji.com

 

首相によると、会員任命を最終的に決裁したのは9月28日。「会員候補リストを拝見したのはその直前だったと記憶している。その時点では最終的に会員となった方(99人)がそのままリストになっていた」と述べ、6人の排除に関与し得る立場になかったと強調した。6人が政府の会員候補リストから漏れた経緯や理由、誰が判断したのかが引き続き焦点となる。 

 

最近何かと話題になっている日本学術会議に関するニュース。任命拒否の問題と日本学術会議がどういったことをしているのかを混ぜこぜにしてはいけないと思っていまして、任命拒否をしたのであれば何かしらの理由を述べるべきではないかと思います。

 

このニュースによると菅首相がリストをチェックした段階で任命拒否された6人が外れていたということで、余計に話がややこしくなってきています。

 

一方で日本学術会議は親中的なところがあり、緊縮財政(復興増税・レジ袋有料化)を推進しているということで、ろくでもない組織なんだということも分かりました。

 

ただ、一番の問題は日本学術会議の話題でメディアや国民の関心が持ちきりになってしまっていることではないでしょうか。(後述します)

 

お次。

 

「財政調整基金」枯渇危惧 台風19号被災14市町取り崩し 「国が支援を」 長野

mainichi.jp

 

堤防の決壊などで甚大な被害が出た長野市の残高は約135億3694万円。公費解体などの災害復旧費に加えて、新型コロナの経済対策などで歳出が増大し、財源不足を補おうと9月補正予算までに計63億1378万円を取り崩す予定だ。ここまで巨額の基金を取り崩す予算案は異例で、市は「過去10年で最大規模」という。 

 

緊縮財政のツケが回ってきた典型例でしょう。台風や豪雨災害は年々酷くなっているにもかかわらず、政府は地方交付税交付金を削減し続けてきました。その結果、地方自治体の財政が悪化しています。

 

地方分権とはつまり「政府は面倒見ないから好き勝手やってね」という地方に対する自己責任論と同じなのではないでしょうか。地方創生や東京一極集中化の是正を掲げる政府がこのような惨たらしい仕打ちをしているというのは非常に悲しいです。

 

日本学術会議スケープゴートに国民を見捨てるつもりでは

日本学術会議が連日メディアに取り上げられることで、地方財政の危機、倒産件数が増えている、失業者が増加している、需給ギャップのマイナスが大きくなっている、といったニュースは隅に追いやられている気がします。

 

そして野党も日本学術会議問題に乗っかってしまい、今一番国民が困っている経済に関する議論をする時間を自ら削ってしまっています

 

安倍政権から続く政権批判をしたいだけの人は、この問題を鬼の首を取ったかのように批判。そしてそうしたただ批判したい人を批判する人たちも、「日本学術会議は害悪な組織だー」と批判。溜まった鬱憤を晴らすかのように批判の応酬です。

 

おそらく政権側はこうなることをある程度予想していたのではないでしょうか。特別定額給付金や持続化給付金でなんとか下支えされていた経済が冬にかけて悪くなっていく、倒産や失業、自殺者が増えていくことも分かっていたでしょう。そこで国民に不満が溜まることを予想し、日本学術会議問題に矛先を向けることで、一番したくない財政出動に対する圧力を緩和しようとしているのではないかと。

 

コロナが落ち着いたとはいえ、以前のように経済活動が出来るはずはないのですから、政府の財政出動は必須なのですが、これ以上の新規国債発行は財務省が許してくれないと思っており、わざわざそこと争うつもりもないのでしょう。つまり、国民を救うことが出来るかよりも政権が維持できるかを重視しているということです。

 

そう考えるとデジタル庁や脱ハンコ、携帯料金の値下げなども国民の不満のガス抜き政策にしか思えなくなってきます。

 

これらの政策すべてが悪とは言いませんが、優先順位というものがあります。日本の至る所に将来に希望が持てない人がいるにもかかわらず、それを無視していることが残念でなりません

 

今、必要な政策は何なのか与野党ともに考え直してくださることを祈ります。