学生の本分は学業という当たり前が見落とされてるな―という話
今日はこちらのニュース。
新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの収入が減るなど経済的に苦しい学生が増えているとして、埼玉大学は、経済的状況などについて条件を満たした大学生や大学院生に、最大5万円の支援金を給付することを決めました。
記事のタイトル通り、埼玉大学が学生に支援金を給付するとのことです。
大学だけでなく政府も支援をすることを検討はしているようです。
もちろんこのように学生を支援することが現在必要な政策であるとは思いますが、そもそも学業が本分であるはずの大学生がなぜアルバイトをして学費や生活費を稼がなければいけないのか、ということについて考えてみようと思います。
1975年から2015年にかけて国公立の学費は約3倍、私立大学は約4.5倍にまで上がりました。
学費がとても大きな負担となっていることがよく分かります。
その負担を親では負えないケースが多く、そういったときに奨学金を借りるケースが増えています。
奨学金という名の借金を抱えている学生が40%~50%ほどおり、その奨学金によって破産する人もいます。
もちろん奨学金に関しては、自ら選択したのだから自己責任と言い切ることもできますが、まだ社会に出たこともない学生にそのような多額の借金を背負わせないといけない教育システムがどうなのか、と思うのです。
親がお金持ちであれば、いい塾に行って、いい大学に行ける。そして大学でもアルバイトなどせずとも学費や生活費のする心配もない。そういった人がいる一方で奨学金を借りて、さらにバイトもして、それでなんとか生活していける、学費を賄うことが出来るという学生もいます。
そもそも経済的な余裕がないから高校卒業後に進学せずに、就職する人もいるのではないでしょうか。
今回のコロナショックによって大学を辞めることを検討している学生がいるとの報道もありました。
教育はあらゆる個人にとって、そして国家にとって投資ではないでしょうか。
義務教育を終えた後はそれぞれに選択肢がありますが、よりもっと高い教育を受けたい、まだ特にやりたいことが見つからないから、就職に有利になるから、さまざまな理由で大学には学生が集まっていると思います。
学業だけでなく、部活動やサークルに熱心な学生もいるだろうし、アルバイトに熱心な学生がいてもいいと思います。
しかし、それはあくまで自分で意思決定が出来る場合の話であって、経済的な理由からアルバイトをするしかない、という学生を生み出してしまっていることが残念でならないのです。
政府に財政的な予算制約はありませんから、少なくとも国公立大学の学費を引き下げることは出来ますし、私立大学に関しても「私立大学等経常費補助金」を毎年支給しているようですから、そこをもっと増やせば、私立大学の学費も抑えることが出来るんではないでしょうか。
この機会にもう一度学生のあるべき姿について政治家の皆さんが考えてくださることを祈ります。