9月入学で大切にすべきはここという話
3月の初めから全国に小中高校に臨時休校が要請され、今に至るまでずるずると休校が続いています。
そんな中、入学時期をずらして9月にしてしまえばいいのではないか、という案が出てきました。
それに対して先日こんなツイートをしました。
完全に同意です。
— しょう@ニート就活生 (@shumi0629) 2020年5月10日
9月入学の一番恐ろしいところは世代間の繋がり、国民意識の破壊と思います。
災害の多い日本で同じ日本国民であるという意識が薄れることは想像以上に恐ろしいと思います。
【施 光恒】「ショック・ドクトリン」としての9月入学 https://t.co/mV9LSOGhjU via @mitsuhashipress
元記事は施光恒さんのものでそれを引用してツイートしました。
私は9月入学に対して反対の立場です。
その理由について話していこうと思います。
9月入学に限った話ではなく、何事でもそうですが、何かを選択する場合、変える場合にはそれぞれのメリット、デメリットを比べる必要があります。
「9月入学」案 メリット・デメリットは?|日テレNEWS24
こちらの記事に9月入学のメリットとデメリットがまとめられていたのでそれを基に見ていきます。
まずはメリットから。
①海外と入学時期を合わせることで双方的に留学がしやすくなる
②受験シーズンの雪による交通機関の乱れがなくなる
③コロナによる数か月の教育格差をなくすことができる。
デメリットは
①就職時期の変更が必要になる
②会計年度の変更が必要になる
③卒業ソングや春に対するイメージがなくなってしまう
ざっくりまとめるとこんな感じです。
メリットの①、②については同意します。
留学時期で苦労していらっしゃる方もいると聞きますし、雪の影響も無視できるものではありません。
ただ③については疑問です。これはデメリットのところで話します。
次にデメリットについて。
①、②も社会システムを大きく変える必要があります。戦後から4月入学で通してきており、教育から就職へとスムーズに移行できるように整えられています。
9月入学という話は、何も学校に限った話ではありません。
在学中から就職活動をするし、卒業後、春休みを迎えて4月入社というのが一般的な流れです。
そして社会も4月を年度の初めとして動いてきました。それをわざわざ変えてまでするようなことなのか、という疑問が残ります。
そしてそのような大変革を次の9月までに出来るわけがありません。
ただでさえコロナの対策で手一杯にもかかわらず、日本のこれまでの歴史をひっくり返すような大改革をこんな短期間でできるわけがありません。
なのでメリットの③の教育格差をなくすことができるというところに疑問を感じます。
そしてデメリットの③が一番大切に思うところです。
情緒的なものであり見過ごされがちですが、これは国民意識の共有の重要なピースになり得るのです。
日本国民であれば、誰もが春、桜が咲き暖かくなってくる頃に入学し、冬が少しずつ終わりを迎えていくようなその時期に卒業を迎えます。
春は出会いと別れの季節といわれ、多くの音楽、小説、映画、アニメ、などの娯楽もそういった私たちが普段は意識しないような当たり前のことが前提に作られていたり、そもそもそれがテーマとなって作られているものもあります。
それが9月入学にしてしまったら、その当たり前の感覚が失われてしまいます。
9月入学を経験した人たちと4月入学を経験した人は同じ日本国民であるという意識が分断されてしまうのではないでしょうか。
日本は災害大国です。
そしてその被害はここ最近より大きくなっているようにも思えます。
そういった災害を乗り越えるには、お互いに助け合うしかありません。
北海道から沖縄までいつどこでどのような災害が起きるかは分かりません。
だからこそ、平時に国民意識をしっかりと共有して愛国心を育て、非常時には、同じ日本国民だから、ただそれだけの理由で助け合うのではないでしょうか。
そしてその助け合いの絆というものは、こういった国民意識から生まれるのではないでしょうか。
そういった国民意識を薄れさせてしまう恐れのある9月入学に私は反対です。
メリットだけに目を向けずデメリットにも目を向けてしっかりと議論されることを祈ります。