Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

日産の融資について思うこと

本日はこちらのニュース。

 

news.yahoo.co.jp

 

政府系の日本政策投資銀行政投銀)が5月に決めた日産自動車への融資1800億円のうち、1300億円に政府保証をつけていたことがわかった。仮に返済が滞れば8割を国が実質補塡(ほてん)する。大手企業への融資に国民負担を伴う可能性がある保証をつけるのは、極めて異例な対応だ。 

 

Twitterでもトレンド入りしていたこちらの話題。これがもし本当だとするのであれば「なぜ日産だけなのか」という問題が出てくると思います。

 

財政が厳しいのに大企業を優遇するのかという的外れな批判

NewsPicksのコメント欄やTwitter「財政が厳しいのになぜ大企業を優遇するのか」「大企業を優遇して国民の負担を増やすのか」といった批判がありますが、的外れと言わざるを得ません。

 

第一に日本に財政問題は存在しません。財務省が「日本はデフォルトしない」「ハイパーインフレになる確率もほぼない」と述べています。

 

政府の赤字が拡大することは民間の黒字が拡大することとイコールとなり政府が財政赤字を削減するとなれば私たちの黒字も削減されることになります。財政問題を取り上げる人は自らが貧乏になっても構わない、もしくは自分は影響を受けないからなんとなく適当に話しているかだと思います。

 

国債は借金だから返済しなければいけないと思い込んでいる人が多いですが、国債を律義に返済している国は日本だけだそうです。欧米諸国では国債の償還日が来れば新たに国債を発行して借り換えをしています。

 

長年の緊縮財政やそれによるデフレ、マスコミの事実に基づかない報道によって多くの国民が間違った認識をしてしまっているのでしょう。

 

支援をするのは当たり前、なぜ日産だけなのか

新型コロナウイルスによる企業の利益減少は企業のせいではありません。新型コロナウイルスがここまで世界に影響を及ぼすと武漢で発生した時から考えていた人はいないでしょうし、2020年にパンデミックが起きるなんてことを予測できた人もほとんどいないでしょう。

 

ですから、政府は企業に対して支援をすることは当たり前です。今回の経済ショックで倒れる企業は元から必要なかったんだと無慈悲なことをいう学者もいますが、これもまたおかしな話です。

 

daigaku-keisei.hatenablog.com

 

特に日産のような大企業が倒産するとなれば、日産内でも雇用を失う人が多く出てくるでしょうし、膨大な数の下請け企業に対しても影響が出てきます。そうしたことを考えても政府が社会を安定させるために大企業に支援することは批判するべきではないと思います。

 

さらに日産が持っている豊富なノウハウや技術、人材といった供給能力を毀損しないように守るという意味でも支援は大切になってくると思います。

 

問題は日産だけを支援していいのかという点です。コロナウイルスで影響を受けたのは日産だけではないですから、他の大企業に対しても雇用環境を悪くしないように、下請けに対して理不尽な要求をしないように、しっかりとお金を出すことが大切ではないかと思います。

 

粗利補償が必要

そもそも企業に対する支援を家賃補助、雇用調整助成金、持続化給付金といったこまごまとした政策で行っていたのが間違いでして、もっと大規模に粗利補償をしていれば、わざわざ日産だけに巨額の融資を行う必要もなかったのではないかと思います。

 

どうしても財政拡大をしようとすると財政問題を叫ぶ人がいますし、財務省はあらゆる方法を使って財政拡大を阻止しようとします。

 

おそらく第三次補正予算が組まれると思いますからそこでまともな政治家がどれだけ頑張ってくれるか世論がどれだけ財政拡大に向けて後押し出来るかが大切になってくるのではないかと思います。

 

雑感

このニュースが果たして本当なのか疑ってしまうのは、日産が否定しているんですよね。果たしてどこからこんな話が湧いてきてどこまで話が進んでいるのか…。いずれにせよ、大企業、中小企業問わず粗利補償は政府が妄想しているV字回復に必要不可欠ですから、妄想を現実としていただくためにも大胆な財政出動をお願いしたいです。あと一律の現金給付もお願いします。

 

財政拡大によって国民の生活が守られることを祈ります。