Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

財政赤字を恐れるな

本日はこちらのニュース。

 

www.bloomberg.co.jp

 

英国の4-6月(第1四半期)財政赤字は昨年度全体の2倍超となった。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済を支えるための景気対策費用が大幅に積み上がっている。 

 

イギリスの財政赤字が拡大しているというニュースです。財政赤字が膨らむことは毎回悪いように報道されますが、コロナ禍の中で財政赤字が拡大していない政府、つまり財政政策を行っていない方が完全に悪と思います。財政赤字が拡大することの意味やイギリスが財政赤字を拡大できることについて話していこうと思います。

 

財政赤字は民間黒字

 

「赤字」と言われるとマイナスのイメージがありますし、無くさなければいけないものという風に捉えてしまいがちですが、そんなことはありません。

 

政府が赤字ということは、反対側で黒字になっている人がいます。「誰かの赤字は誰かの黒字」という経済の大原則があるからです。

 

イギリス政府はコロナの影響で失われてしまった国民の所得や企業の利益を支えるために赤字を拡大しています。

 

つまりイギリス政府の財政赤字は民間黒字、国民側の黒字を生み出しているわけです。

 

財政赤字を拡大できるイギリス

イギリスは2019年にEUを離脱しました。これはとても大きな出来事でした。もしEUに加盟していたら今ほどの大胆な財政政策は行えておらず、経済の落ち込みはもっと大きかった可能性があります。

 

EU加盟国は自由に財政政策を行う事ができません。自国内で決議されたとしても、欧州委員会で否決されてしまうと政策を行う事ができません。

 

さらにEUは財政規律を重んじる考えが強いですから、財政赤字を拡大することには否定的です。

 

流石に現在は財政規律を取っ払って、各国大胆な財政支出や減税措置を取っています。

 

世界全体での不況ですからそのような措置を取っていますが、一国だけの不況であればおそらく財政規律を求められ、景気を上向かせるのは難しくなるでしょう。

 

デフレ脱却には財政赤字の拡大を

世界的な不況の中でいかに経済を建て直すことができるかが、感染症対策と共に重要視されていると思います。

 

日本もEUという国家を上回る共同体の制限はありませんので、自由に財政政策を行う事ができるのですが、自ら制限をかけてしまっています。

 

これまで財政赤字を拡大したら財政が破綻する、金利が高騰する、国債が暴落する、ハイパーインフレになるなど主流派経済学の考えを基に主張していっしゃいますが、残念ながら全て誤りです。

 

そして主流派経済学ですからデフレ脱却には財政政策が必要と述べていますし、消費税は減税するべきというのが普通です。日本は主流派経済学にすら基づかない完全な独自路線を歩んでいます。

 

難しく考える必要はありません。財政赤字を気にせずに困っている人に財政支援をおこなう。困っている企業に財政支援をおこなう。経済を活性化させるために消費税を減税する。単純なことが認識の誤り、無知によって難しくなってしまい、政府がすべきことが出来ていないのが今の日本ではないでしょうか。

 

財政赤字の拡大を恐れずに国民を救うための財政政策を行ってくださることを祈ります。