Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

財政破綻がありえないのに財政赤字を気にする財務省

本日はこちらのニュース。

 

www.jiji.com

 

財務省は2日、毎年末に編成する翌年度予算案の説明資料に基礎的財政収支(PB)赤字額を明記する方針を示した。PB赤字は政策経費を税収で賄い切れず、借金である国債発行で穴埋めする額。新型コロナウイルスの感染拡大に対応した2020年度の大規模補正予算国債発行額が膨張して危機的な状況にある財政の姿を国民に説明し、中長期的な健全化につなげたい考えだ。 

 

「危機的な状況にある財政の姿」とは何なのか…?

危機的な状況にあるのは国民の生活と思いますが。

 

財務省財政破綻がありえないと主張している

財政破綻がありえないと分かっている人たちの間では有名な話ですが、財政破綻を気にしている財務省財政破綻がありえないと過去に主張しています。

 

www.mof.go.jp

 

 日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。

 

日本国債の格付けが下げれられてしまった際に怒った財務省が作った意見書です。

2002年と少し前の物ですが財務省のHPに載っていますから、財務省はこの事実を今も認めているのでしょう。

デフォルトとは債務不履行のことです。つまり国債の償還が不可能になってしまうという事態であり、財政破綻ということになります。

財務省はそれが考えられないと主張しているわけです。

しかし、現実には「国民一人当たりの借金」というワードを用いて国民に対して「日本は借金が多すぎる」「このままではいけない」という自らの主張とは真逆のことを言っているのだから不思議です。

 

PB赤字は国民黒字

記事内になるPB赤字という言葉。これは「プライマリーバランス赤字」の略です。

プライマリーバランスが何かと言えば、「基礎的財政収支」。

政府の歳入と歳出を計算したもの、政府の家計簿みたいなものですね。

 

これを政府は黒字にしたいといっているわけです。

そのため財政赤字が増えることを問題視しています。

 

財政赤字が減るとどうなるのか?

誰かの赤字は誰かの黒字ですから、政府の赤字が減れば反対側で黒字が減っている人がいます。

 

それは誰なのか?私たち国民です。PB黒字化のために増税をし、政府支出を削減。

 

おかげで日本は20年間経済成長せず、公共事業費を削減してきたので災害が来れば甚大な被害。公務員も削減してきた&非正規に転換してきたので一律の10万円給付もなかなか行えない。消費税増税の裏で法人税の減税を行っているため、格差は拡大。自己責任論が蔓延し国民同士で争い分断され、誰かを叩くことでストレス発散、自らの安全を確保しようとするという酷いありさま。

 

失われた20年と言われているにもかかわらず、政府支出を増やそうともせず、平成と同じような政策を繰り返す政治家、そんな政治を選び続ける国民、そして政治を諦める国民。

 

自国通貨建ての国債を発行している国が財政破綻に陥らない理由

財務省が言っている通り自国通貨建ての国債を発行している国が財政破綻に陥ることはありません。

なぜなら国債の償還日が来ても新規国債発行による借り換えが対応したらいいからです。

自分でお金を発行できるのになんでお金を返せなくなるのかという話です。

 

ギリシャ財政破綻したのは自国通貨ではなく共通通貨ユーロを使っているから。

アルゼンチンが財政破綻したのは自国通貨ではなくドル建てで国債を発行していたから。

 

これらはすべて事実です。

そのため日本政府はどれだけお金を刷っても財政破綻に陥ることはありません。

しかし、どれだけお金を刷ってもいいなんていうことはありえません。

ここで制約となるのがインフレ率です。

インフレはお金の量ではなく、需要と供給の量で決まりますから供給能力が許す限り、緩やかなインフレが達成できている限り、お金を刷って財政出動が可能になります。

 

日本は世界でも有数の内需大国であり、高い供給能力を有しています。

そのため政府が100兆円規模の財政出動を行ったとしてもインフレにはならないでしょう。

 

PB黒字化という意味のない目標を掲げている場合ではなく国民の生活を守ることに注力して欲しいものです。

 

まとめ

お金を創り出すことのできる政府を家計とごっちゃにして財政赤字を悪とする方法によって多くの国民が騙されました。

財務省は多くの学者を動員して財政赤字がどれだけいけない事かを普及する活動をしているらしいです。

財務省がそこまで財政赤字削減にこだわる理由はまた今度説明したいと思います。

 

日本で財政破綻はありえないという事実を知ってくださること祈ります。