Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

少子化対策はデフレ脱却

本日はこちらのニュース。

 

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全国の自治体が今年5~7月に受理した妊娠届の件数が、前年同期比で11.4%、2万6331件のマイナスとなったことが20日厚生労働省の集計で分かった。来年出生する子どもの数は大幅に減る見通しとなった。新型コロナ感染拡大による雇用情勢や出産環境の悪化が影響しているとみられる。国のデータが明らかになったのは初めて。厚労省が21日にも公表する。 

 

妊娠届の件数が前年同期比で10%ほどマイナスになったそうです。ということは、来年に生まれる予定の赤ちゃんも今年の10%ほどはマイナスになるんですかね。

 

妊婦はコロナに感染すると重症化しやすいのではないかといったことも言われていましたし、なかなか病院にも行きづらいような気持ちも出てくると思いますので仕方がないかなぁというのが率直な印象です。

 

改めて日本の少子化問題について考えてみようと思います。

 

まず第一に日本の少子化の一番大きな原因は結婚出来ない人が増えたことによるものです。これは長引くデフレによって実質賃金が下がり続け、女性が男性に求める年収に達することの出来ない人が増えてしまっているからです。特に非正規雇用といった低賃金かついつ首が切られるかも分からないような職に就かざるを得ない人が増えてしまっていることが問題と思います。そうした生活では結婚をするというのはかなりのリスクになってしまうと思いますので…。

 

「結婚をしたいと思っている人の総数はほとんど変わっていないこと」「合計特殊出生率(一人の女性が子供を産む数の平均)が30年ほど横ばいとなっている」ことなどからも日本の少子化問題「結婚したいが経済的な余裕がないために結婚が出来ない人が増えている」ことが一番大きい原因と考えられます。

 

価値観の多様化によって結婚しない人が急増したわけでもありませんし、結婚した人が持つ子供の数は過去30年あまり変化がありません(合計特殊出生率は1.5~1.3を推移)。

 

そのため、不妊治療や保育園無料、子ども手当といった政策が少子化を改善させることが出来るかというと疑問です。もちろんやらないよりはマシなのですが、こうした政策は「結婚が前提」となっています。

 

つまり、「結婚というハードルを乗り越えることが出来ない人」に対しては、あまり恩恵のない政策となっています。実質賃金が下がり続け、非正規雇用が増えている中で、結婚に踏み出すほどの経済的な余裕を持てない人を自己責任で片づけることは出来るんでしょうか?あるいは自己責任で片づけるような社会でいいんでしょうか?

 

日本の中で「結婚出来る人」「結婚できない人」の二分化が確実に進んでいるのだと思います。

 

こうした状況を改善するには、政府が長期的に予算を組んだ財政出動を行って、安定的に経済成長できる環境を作り、人件費削減による価格競争に終止符を打つ必要があるのではないかと思います。

 

少子化に歯止めがかかることを祈ります。