インフレになる理由 ハイパーインフレが起きない理由
本日はこちらの記事。
ハイパーインフレに備えて貸家よりも持ち家がいいですよーという記事。
結論から言うとハイパーインフレなんて起きません。
インフレになる理由を説明しながらハイパーインフレにならない理由を説明しようかと思います。
インフレになる理由
まず記事内では「デフレ」がなぜ起きるのか述べています。
経済活動が止まると、デフレになる。需要が少ないからだ。こうなると、物価が下がり、法人業績が下がり、個人所得が減るという負のスパイラルに入る。モノに対してお金の価値が上がっていく状態なので、貯金して節約している方が得になる。
「需要が少ないからだ。」と明確に述べています。
その結果、モノに対してお金の価値が上がっていくと。
デフレは供給能力に対して需要が少ないことから起きる現象です。
売り手に対して買い手が少ないので買ってもらうには価格を下げることを強いられます。
逆に「インフレ」は供給能力に対して需要が多いことから起きる現象です。
売り手に対して買い手が多いので価格を高くして需要を抑制するようになります。
今では供給能力が満たされ価格が落ち着いてきましたが、マスクなんかはその典型です。
ハイパーインフレにならない理由
デフレは需要が少ないことから起きると述べているのに反対のインフレについてはこのように述べています。
また、今回のコロナショックで大規模な経済対策を再び借金で行うことになる。国の借金である国債を返せない確率が上がると、その国の通貨の価値が下がる。そこでさらに通貨を発行すると、一層価値の下落に拍車が掛かる。
このようにして通貨の価値が急激に下がると、モノの価値が急激に上がり、極度のインフレになる可能性も否定はできない。これを「ハイパーインフレ」という。
通貨の価値が急激に下がることでハイパーインフレになるんだーと。
通貨の価値が下がるというのはおそらく国債の買い手がいなくなることだと思います。
しかし、そんな事態はありえません。
日本銀行が買い取ることが出来ますから。
なのでこの論理はおかしいです。
戦後の日本でも、このハイパーインフレが起こっている。1945年の終戦から1949年末までに物価が約70倍になったのだ。国際会計基準の定めでは「3年間で累積100%以上の物価上昇」とされているので、明らかにこれに当たる。インフレになると、借金がインフレになった分だけ棒引きにされる。過去に借りたお金の価値が下がるからだ。こうして、破綻している国の財政問題は解消する。
さらにハイパーインフレで不安をあおる人に見られるのが戦後日本の例。
戦後日本で物価が上がったのは、戦争により工場や畑といった供給能力を破壊されたからです。
インフレになる理由で供給能力より需要が多い時になるといいました。
まさに戦後日本では供給能力がぼろぼろにされ、生きる上で必要な需要すらも満たせなかったためにインフレになったのです。
今の日本でそんなに供給能力が破壊される機会があるのか?という話です。
通貨の価値の下落(インフレ)という結果だけを切り取ってその原因については述べないことでハイパーインフレが現実的なことかのように表現しているんですよね。
単純な事実誤認か利益誘導か
単純に日本銀行が国債を買い取っているから通貨の下落が起きないことを知らないのだったら勉強した方がいいですよで終わるわけですが、ひょっとするとあえて間違ったことを言っている場合も考えられます。
この方は不動産コンサルタントとして活動しているようですから不動産を売りたい。
しかし、コロナ禍でなかなかそういった高価な買い物に手を伸ばさない人が増えている。
そこで、不動産を買うメリットとしてハイパーインフレになる可能性を利用したのではないかと。
まとめ
人間は不安に敏感になるように作られていますから、こういった話を鵜呑みにしてしまう方もいるかもしれません。
人々の不安を煽ってまでビジネスをするというのはなかなか怖い話です。
ハイパーインフレはありえないという認識を持ってくださることを祈ります。