政府が財政出動するしかない理由
今日は政府が財政出動をしなければならない理由ついて話そうと思います。
第二次補正予算案が決まりましたが、まだまだ政府は財政出動しなければなりません。
経済は4部門で考える
基本的には家計(個人)、企業、海外、政府の4部門で経済を考えると分かりやすいです。
マクロ経済学ではこのような公式があります。
「国内民間部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0」
誰かの黒字が誰かの赤字である限り、赤字があれば同じだけの黒字があるので合わせたら最終的には0になる、ということです。
(国内民間部門に家計(個人)と企業が含まれています。)
企業が赤字から黒字に
各部門の収支をグラフ化したものがこちら。
80年代から90年代半ばまでは企業が大幅に赤字を拡大していました。
これは資金を銀行などから借り入れて、生産性の向上のための人材投資、設備投資などが行われていたことを示しています。
この頃はまだインフレでしたから、需要に対して供給能力が足りない状態でしたので、企業は懸命に投資により供給能力を拡大していきました。
しかし、バブルが崩壊し2000年代に入ると企業は一気に赤字を縮小し、黒字に転じています。
これは景気が悪くなったために、需要が抑制され、物やサービスが売れなくなったためです。
資本主義社会では企業は赤字を増やして生産性の向上を目指して投資を続けるのが、企業の本来の姿です。
しかし、デフレに陥った日本では企業が赤字を増やすどころか、黒字になってしまいました。
合成の誤謬
民間部門(家計と企業)が景気が悪くなった時に、消費を控えるのは合理的な行動です。
物が売れないのに借金して工場を作っている企業があったら確実につぶれますよね。
資金が余っているのであれば借金の返済に回すのが不景気では合理的な行動です。
家計も同じで、収入以上の支出をしてしまったら借金まみれになってしまいます。
景気が悪くなって収入が落ちたら節約して、生活するのが合理的な行動です。
しかし、全国民、企業がこのように合理的に行動をしてしまうと、経済は余計悪化してしまいます。
このように各個人レベルでは合理的な行動なのに、それが全体としてみた結果、全体の不利益となってしまうことを合成の誤謬といいます。
今日本はまさにこの合成の誤謬の状態に陥っています。いくら個人、企業が合理的に行動しても、日本全体としてはどんどんと悪い方向にいってしまう。
政府だけが解決できる
解決できるのは政府だけです。
気にするべきはインフレ率の1点のみですが、20年間もデフレに陥り、消費税増税、コロナショックによりさらに需要が落ち込んでいる日本では100兆円くらいを支出してもデフレ脱却出来るかどうかも怪しいくらいです。
政府が財政出動をして景気を上向かせることが出来れば、需要が回復し、消費行動が活発になります。そうなれば、企業も積極的に投資をして、経済が回っていくようになります。
一度不景気に陥ってしまったのを立て直すには赤字を気にしなくていい政府が財政出動をするしかありません。
政府が財政出動をすれば国民みんなが豊かになれます。
まとめ
政府が財政出動をするしかない理由、すべき理由が分かってもらえたでしょうか。
政府がこのまま財政出動をせず、緊縮財政を続けてしまうと、国民はどんどんと貧困化していき、格差が拡大しいずれ日本は先進国とは言われなくなるでしょう。
自分の将来のためにも、子孫のためにも、財政出動を訴えかけ豊かな日本を取り戻す必要があります。
政府に財政出動を訴えかける世論を形成できることを祈ります。