Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

竹中平蔵式ベーシックインカムの危うさ

本日はこちらの記事。

 

weekly-economist.mainichi.jp

 

竹中平蔵氏がベーシックインカムについて前向きな発言をしていました。ベーシックインカム自体は私も反対しません。しかし、彼のいうベーシックインカム構想ではおそらく格差拡大が助長されてしまうように思います。

 

ベーシックインカムとは何か

まずベーシックインカムがどのように定義されているかみてみます。

 

最低所得補償の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策。(ベーシックインカム - Wikipedia)

 

簡単にいえば何もしなくても(働かなくても)政府が生活に必要な最低限のお金を配ってくれるという夢のような(?)制度です。

 

最低限の生活というものが人によって価値観が異なると思いますし、物価によっても変わってくると思いますので金額は定義されていません。

 

生活保護や年金なんかはベーシックインカムに近い形であるといえるのではないでしょうか。

 

新自由主義ベーシックインカム

竹中平蔵氏はベーシックインカムの導入によって生活保護や年金を撤廃できると述べておりこれが非常に危険な考え方です。

 

ベーシックインカムの導入によって既存の社会保障制度を削減することができるというのは、政府の市場への介入を嫌い、民営化、規制緩和、など小さな政府を目指す新自由主義的な発想です。

 

新自由主義的な発想においては自己責任が求められます。特に竹中平蔵氏式のベーシックインカムではそれが顕著となっています。

 

つまり最低限の生活保障は政府から補償するからあとは政府は面倒見ませんから好き勝手にしてくださいということです。個人の自由といえば聞こえはいいですが、確実に格差拡大が助長されるでしょう。

 

既存の社会保障制度を継続したまま、追加でベーシックインカムを行うというのあればまだ議論の余地がありますが、ベーシックインカムの導入によって社会保障の削減を行ってしまうのは非常に危険であると思います。

 

ベーシックインカムは注視して行うべき

以前にもベーシックインカム導入の危険性については書きました。

 

daigaku-keisei.hatenablog.com

 

コロナ禍で働くことができない人、所得が減ってしまっている人が多い中で現金給付というのは大変効果的であると思います。

 

ベーシックインカムについて議論をするのであれば代わりに政府支出を削減しないという条件のもと、期間限定で行ってみるというのがいいと思います。

 

竹中平蔵氏はショックドクトリンで一気に行うべきだといっていますが国家のあり方に関わるようなことをそんな簡単に行っていいわけがありません。

 

ベーシックインカムについての議論がふかまることを祈ります。