デフレという病
毎日経済に関するニュースや記事を読んだりしているんですが、「デフレが異常状態」という認識があまりない方が多いんですよね。
日本の経済が低迷している理由は「デフレを放置し続けた政府」に責任がありますし、企業や個人の問題ではありません。それをなぜか企業のせいにして「新陳代謝を促進」「ゾンビ企業を潰してしまえ」だとか、控えめに言って頭がおかしいとしか言いようのない言論がよく見られます。
日本経済が低迷している、実質賃金が下がり続け、貧困層が増えている原因を政府に求める人は少なく、上記のように企業に求めるか、あるいは「日本は少子高齢化で生産年齢人口が減少しているからもう成長できない」などと現状を無理矢理にでも受け入れさせようとしています。
「置かれた場所で咲きなさい」とか「足るを知る」的な精神で「幸せはお金では手に入れられない」といった自己啓発や節約術などが大きく取り上げられる。一方で毎年3万人以上の方が自らの人生に絶望し自殺を選び、「価値」や「生産性」をばかりを求める息苦しい社会に搾取され続け心を病んでしまった人は100万人以上います。
さらに酷いのはそういった人たちを「自己責任」と切り捨てる人がいるということ。これだけ社会になじむことが出来ない人を生み出してしまっているのであれば、それは個人の責任ではなくて社会に問題があるのではないですか?
長年のデフレが私たち日本人の社会をどんどんと悪い方向に導いているように思います。デフレはただの供給能力の破壊では終わりません。私たちの生活を破壊します。生活の余裕がなくなり、心の余裕がなくなり、他者を批判してなんとか自我を保つというおぞましい社会が広がっています。
デフレは一種の病気であると思います。
お金があれば幸せになれるとは言いません。しかし、お金がなければ不幸になります。私たちの心をむしばみ続けているデフレという病を治すことが何よりも求められているのではないでしょうか。
デフレという病から抜け出せることを祈ります。