映画『21世紀の資本』~歴史は繰り返される~
『21世紀の資本』を見てきましたー!
コロナの影響で上映が延期になったりしてたので、やっと見に行けたという感じ。
『21世紀の資本』の本は全く読んだことないのですが、
「労働者はどれだけ頑張っても資本家より裕福になれない」
みたいなことが書かれている本だと大雑把に認識していました(笑)
肝心の内容は、というと、、、面白かったです!
さまざまな学者のインタビューと過去の映像作品を交えながら、18,19世紀くらいを起点にどのように社会が変化していったのかをざっくりと解説。
特に「資本」と「格差」に焦点を当てているという感じですかね。
簡単ではありますが、感想をまとめていこうと思います。
歴史は繰り返される
18,19世紀頃からスタートします。この時代は貴族が特権階級で人々から金をむしりとって暮らしていたわけです。この時代の資本は主に土地でした。
そして不満の募った市民が革命を起こす、フランス革命なんかがその典型ですね。
しかしそれでも結局、トップに立った人は富を独占してしまい、格差社会は変わらない。
そこから産業革命によって社会の構造が変化します。生産性が向上し、利益が出たら投資してまた生産性拡大という動きが出てきます。
さらに植民地や奴隷などを利用して、利益の拡大を推し進めていきます。
ここで資本に機械や人(奴隷)が含まれるようになってきます。
そこから株式市場が出てきて、第一次世界大戦へ。
第一次世界大戦後にアメリカは好景気に沸くわけですが、株式市場が規制緩和して実体経済とかけ離れたような金額での取引が行われるように…。
結果、世界恐慌に繋がり、ドイツではヒトラーが現れ、第二次世界大戦へ…。
第二次世界大戦が終わってからは比較的安定していたのですがオイルショックから再び格差拡大型の政策にシフト、その結果がリーマンショックにまでつながるわけですが、今も格差拡大の傾向は変わらず…。
ここで押さえておきたいのは「歴史は繰り返される」ということ。
金融市場の規制緩和によってバブルを生み出してしまったのは、1929年の世界恐慌も2008年のリーマンショックも似たようなもの。
格差拡大により国民が分断されれば、革命や戦争につながるというのも歴史が証明しています。
それでもなぜ人間は格差拡大に走るのか?
それは単純な人間の構造にありました。
格差拡大が起きる簡単な理由
映画内である実験が紹介されておりまして、結論からいうと
・人間は裕福になると横柄になり、人を見下したりするようになる
・自分が得た富を他者に与えようとしない
・どれだけ貧乏な人でも裕福になるとこういった傾向が見られる
というなかなか悲惨な結果。
映画とは関係ないですが、
金持ちになると失ってしまう5つの人間性とは? - GIGAZINE
この記事でも「親切さ」「共感」「思いやり」「助けになること」「倫理」が失われてしまうんじゃないのーと書かれています。
お金が人を狂わしてしまうんですよね。
これにプラスして私が思ったのは、自分の地位を譲りたくないという思いから、格差拡大型の政策を採用して貧困層が上に上がってこれないようにしてるんかなーと思ったりしています。
「収入が多くなるほど不幸は減るけども幸福にはならない」といった研究結果もあるので、お金持ちになっても何か満たされない想いがあるのかなーと。
格差拡大型を防ぐには政治が必要
じゃあ格差拡大を防ぐにはどうしたらいいのよっという問いに対する答えは政治となります。
映画内でいわれていたのは、大企業から法人税を徴収する、資産に累進課税を導入するといったこと、要はお金持ちからお金取って格差拡大防ぎましょうよ、と。
これも1つありと思いますし、日本であれば逆進性のある「消費税の廃止」、法人税を引き上げて内部留保に対するインセンティブを下げる(配当にまわるお金を減らす)、株主の配当に対する税率を上げるといった策が有効かなと思います。
ただこれ格差拡大を防ごうとする政治家が出てきて、当選してもらわないといけないわけで以前よりはマシになっているとはいえなかなか難しいよなーと思います。
このまま格差を拡大していけば、確実に万人が不利益を被ることになりますから、一刻も早く止めたいのですが、なかなか今の制度で恩恵を受けてしまっている人は、自分が死んだ後の世界に興味などないでしょうから、変わりませんよね。
格差拡大すれば、確実に貧困層の方が富裕層の方が多くなるので、そこで一致団結すれば、民主主義を採用している日本ではまだ望みがあります。
ただ、ファシズムになってしまう恐れもあるのが怖いところ…。
まとめ
どう考えても格差拡大でみんなが幸せになれる未来はありません。
なんでどうにか社会を変えていけたらなーと思います。
具体的にはやっぱり積極財政を訴えている人を支持するのが一番いいかと。
格差拡大を防ぐには、「富裕層から取る」だけじゃなくて「貧困層に配る」「貧困層を作り出さない」政策が必要になるので、お金かけないと実現できません。
この時代に個人としてどうしていくべきを考えると、労働者階級から少しずつ資産に投資していって、富を増やしつつ、格差是正のための言論活動も続けるというのが現実的かと思います。
あと、万一お金持ちになっても性格が変わらないように自分でも周りの人からもチェックし続けることですね(笑)
格差拡大型の社会から転換できることを祈ります。
PS.予告編の最後に池上彰さんのコメントが載っていて、それがかなりバッシング食らっていますが、池上彰さんは本編には全く出てこないので安心して(?)見に行ってください(笑)