アベノミクスはなぜ失敗に終わったのか②
昨日はアベノミクスに軽く触れて終わったので、今日は中身を議論していこうと思います。
おさらい
①大胆な金融政策(デフレ脱却を目指し、2%のインフレ目標が達成できるまで無期限の量的緩和を行うこと)、②機動的な財政出動(東日本大震災からの復興、安全性向上や地域活性化、再生医療の実用化支援などに充てるため、大規模な予算編成を行うこと)、③民間投資を喚起する成長戦略(成長産業や雇用の創出を目指し、各種規制緩和を行い、投資を誘引すること)
アベノミクス│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
アベノミクスは3段階の政策によって、デフレ脱却して経済成長しましょー!
という趣旨のものです。
今回は金融政策についてどのように行われたのか見ていきます。
日本銀行は役目を果たした
①大胆な金融政策
(デフレ脱却を目指し、2%のインフレ目標が達成できるまで無期限の量的緩和を行うこと)
について。
異次元の金融緩和なんて言われたりもしますね。
これは日本銀行の役割でした。
結果から言うと役目を果たしたと思います。
具体的に何を行っていたのかというと、
市中銀行(私たちが預金している銀行)が持っている国債を日本銀行が買い取る。
これだけです。
これを国債の貨幣化といいます。
するとどうなるか?
市中銀行は「国債」と引き換えに「日銀当座預金」を手に入れます。
日銀当座預金があれば、銀行はいつでもお金を引き出せます。
(国債に投資している方がそれを売って現金化するイメージ)
なので多くの企業や個人に融資をすることができるようになります。
(実際は、日銀当座預金から貸しているのではなく、銀行準備制度に則って信用創造しています)
日本銀行はどのくらいの国債を買い取ったのか
(マネタリーベースとは市中銀行に出回っているお金+日銀当座預金です)
12年の1月から今年の1月までずーっと右肩上がりなのが分かると思います。
そして最近になるにつれて伸びが落ちているのも分かるかと思います。
これはなぜか?
またこちらのデータを見ても日本銀行が多くの国債を買い取ったことが分かります。
2012年の6月末では日本銀行の国債の保有の割合は8.96%。
国債を一番多く所有していたのは国内銀行で36.35%でした。
そしてそれから7年経った2019年末時点では日本銀行がその半分近くを占める46.77%までに拡大。
一方の国内銀行(預金取扱機関)は12.89%まで下がっています。
日本銀行は7年で6倍ほどの割合になり、国内銀行は3分の1ほどの割合となりました。
まとめ
日本銀行は出来る限りの国債を買い取り、その役目を果たしたといえます。
それでもデフレ脱却出来ず、目標であるインフレ率2%を達成できなかったのはなぜか?
それはまた明日お話します(笑)
日本銀行は国債を買い取りその役目を果たした!という事実を多くの人が共有してくださることを祈ります。