9月入学に賛成している人は国民を分断させたいのか?
以前、9月入学に反対の記事を書いたんですが、どうやら本格的に議論されているので改めて取り上げようと思います。
政府は19日、首相官邸で学校の始業や入学の時期を9月に変える「9月入学」に関する次官級協議を開いた。文部科学省は2021年からの導入を想定した2案を示した。いずれも学年構成や入学年齢にひずみが出るなど課題も多く、政府・与党で議論を続ける。
9月入学をするかどうかからどうやって9月入学に移行するかという議論に…。
9月入学は国民の分断を招く恐れがあります。
留学生のために9月入学?
よくある9月入学のメリットしてグローバルスタンダードに合わせることで学生が留学しやすくなるよーという点。
じゃあどれだけの留学生が現状いるのかというと2018年のデータで11万5146人。
(2018(平成30)年度日本人学生留学状況調査結果 - JASSOより)
これだけ聞いたら多いような気もしますが2018年の学生数が289万880人なので全体の約4%ほど。
(学校基本調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口より)
海外と同じ9月入学に変更したら留学を考える人も増えるのかもしれませんが、現状これによって恩恵を受ける人が限られています。
9月入学の影響は学生だけではない
9月入学によってデメリットのある人はどういう人か。
これは学生に限った話ではなく、社会全体の話です。
仮に9月入学にしたとして就職時期はどうするのか?
4月を年度の始まりとした現行の制度を変えてしまうのか?
そうなると莫大なコストがかかります。
保育園はどうするのか?
9月に合わせないと空白の期間が出来てしまいます。
留学したい学生のために社会全体を変革するべきなのでしょうか?
議論されることが悪影響
こういった議論によって不安を覚えるのは学生だけではありません。
学生の親、未就学児のいる親も不安を覚えます。
来年小学校に上がる子がいる家庭、保育園に入れようとしている家庭など、9月入学となればその分、空白の期間が出来てしまいます。
働きながら育児をしている親もいるでしょう。
そういった方にとって子供を見てくれる場所が一定期間でもなくなるかもしれないというのは大きな不安になります。
ただでさえコロナによって大きな不安を抱えているにも拘わらずこのような議論が出てくるだけでさらに不安が上乗せさせられる…。
9月入学は国民の分断につながる
前回の記事でも述べましたが、9月入学は国民の分断を招く恐れがあります。
地震、津波、土砂崩れ、河川の氾濫、噴火、日本は災害大国です。
必然的に助け合って生きていくしかないんです。
被災にあった地域にそれ以外の人たちが支援をする。
当たり前のように行っていますが、根底には同じ日本人だからという意識、国民意識があります。
同じ言語を使い、同じような環境で育ったこと、さまざまな経験の積み重ねが国民意識の醸成につながります。
4月入学と9月入学では環境、思い出ががらりと変わってしまうので同じ国民であるという意識、絆が弱くなってしまうのではないでしょうか。
そうした綻びから日本国民が分断されていってしまうのではないかと危惧しています。
まとめ
緊急事態宣言も解除され始め、学校も再開しているところもあります。
コロナに乗じて9月入学にしたい人たちが暗躍しているとしか思えません。
1人1人が真剣に問題を考える必要があると思います。
私たちが当たり前のように過ごしてきた生活が大きく変えられようとしているのです。
9月入学は国民の分断を招くという点を考慮してくださる方が増えることを祈ります。