Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

『二ホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ』レビュー

本日は響堂雪乃さんの書いた『二ホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ』という本を紹介したいと思います。

 

なんともネガティブなタイトルでして、中身も何も知らない人が読んだら「マジか…。」とショックを受けてしまいそうな内容です。

 

幸い(?)私は日本が20年間経済成長できなかった理由を通して、国民のことなど考えずに権力が維持出来ればそれでいい政治家がいることや「レントシーカー」や「グローバリスト」といった自分の利益の事しか考えていない連中が蔓延っていることは知っていたので改めて現実を突きつけられた感覚でした。

 

二ホンの政治家は企業から献金を貰っています。そのため企業に有利な法案を作るようになります。企業は外国の投資家によって支えられているので、最終的にできる法案や政策というのは「外国人投資家」にとって都合のいいものとなっています。

 

そのため、二ホンを売国するような法案、政策がばんばんと打ち出されてしまうわけです。格差が拡大しようが、貧困層が増えようが、自殺者が増えようが、自分たちの利益が増大したらそれでいいという人が権力をもってしまっているというのがなかなかの絶望感。

 

マスコミも企業からの広告で成り立っていますから、私たち国民にとって不都合な法案が通ったとしても企業に利益がある限りは大々的には報道しないんですよね。そもそも難しいニュースは視聴率が上がらないし、芸能人の不倫とかを報道していた方が視聴率も上がるという現状もありますし。

 

この本には財政破綻論について書かれているのですが、ここだけは明確に間違っています。日本政府を家計と同じように捉えており、国債を返済しないといけないと思い込んでしまっているようですが、そもそもそのお金は全て政府が発行したものです。お金を発行できるのになんでお金を返せなくなるのかという話です。

 

財政破綻についてはこちらの記事をご覧ください。 

daigaku-keisei.hatenablog.com

 

しかし、これだけ世の中の仕組みについて理解している方でも財政破綻論には騙されてしまうというのが本当に恐ろしいです。逆にいえば、財政破綻論を突破出来れば、国民のお金を資本家に流すというようなことをしなくていいわけです。国民からわざわざお金を取らなくても(消費税廃止)資本家にお金を流すことができるわけです(法人税減税)。

 

この本を通して一度絶望して、そこから「自分はどう生きていくのか」ということを考えるきっかけとなればいいと思います。周りの人に本を勧めてみたり、実際にかかれていることが真実なのか他にも自分で情報を探してみたり、などなど。

 

参考文献にたくさんの哲学書が書かれておりまして、自分でモノを考える力というのは哲学によって磨かれるのかなーと思ったりします。

 

二ホンが滅びないことを祈ります。