Salvation~世を治め民を救う~

読書感想文を主に書いています。政治・経済やメンタルなど健康に関するもの、小説などを取り上げることが多いです。

『東京改造計画』は『東京破壊計画』になり得るのでは

東京都知事選が6月18日に告示日、7月5日に投票日として行われるみたいですね。

(最近知った(恥))

 

堀江貴文さんが出馬されるとのことで話題になっております。

news.livedoor.com

22日付のスポニチ本紙報道で東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)への出馬を検討していることが明らかとなった実業家の堀江貴文氏(47)が22日、自身のツイッターを更新した。トップ画像などを自著の表紙に変更し、マニフェストとなる30日発売予定の新書「東京改造計画」をアピールした。 

 

選挙に合わせてマニフェスト代わりの本を発売するというのが新しいですよね。

堀江貴文さんは圧倒的な知識量と独自の発想を持っていて「なるほどなぁ」と思わされることが多いです。

 

ただ今回の『東京改造計画』の目次を見て違和感がありました。

先日このようなツイートをしました。

 

今回は私が違和感をもった5つの項目についてみていこうと思います。

 

 

公共サービスを民営化してはいけない理由

東京メトロ都営地下鉄を合併・民営化する

㉜東京都をオール民営化

この2つについて。

 

公共サービスを民営化しようというのは非常に危険です。

 

民営化するということは利益を出さなければなりません。

そのためにどうするか、設備投資や人材投資によって経済活動が活性化され、よくなる点もあるかもしれませんが、一番簡単に利益を上げる方法は人件費の抑制です。

 

また、公共サービスであれば、誰しもが使いますから料金を多少上げてもそこまで支障が出ないでしょう。

サービスを利用したいけれど料金が高いから利用しないとなると、都民に対して不便を強いることになります。

 

ただこれによって恩恵を受ける人はいます。お金を持っている人です。

料金を払えない人はサービスを利用しませんから、お金のある人はサービスを利用しやすくなるでしょう。

 

金持ちはサービスを受けられ、貧乏人にはサービスを提供しなくなる可能性があります。明らかに格差拡大型の政策です。

 

企業の利益と社会の利益の違い

㉝「妖精さん」のリストラ計画

 

いわゆる働かない中高年、会社に居座って金だけもらっているような人ですかね。

そういった人たちをリストラ出来るようにしちゃいましょう。ということだと思います。

リストラまでいかなくても「リストラされるかもしれない」という危機感を植え込むだけでも頑張ってくれるのではないか、といった考えもあるかもしれません。

 

企業にとってはコストだけがかかって利益をもたらさない社員をリストラ出来れば、利益が伸びるので嬉しいでしょう。

 

しかし、リストラされた人たちの生活はどうなるのか?

一家の大黒柱がリストラされた家族はどうなるのか?

 

確実にリストラされた方、そして家族の消費は減るでしょう。

 

消費が減って困るの誰か?

企業です。同じ都民です。

 

誰かの消費が減れば、誰かの売り上げが減ります。

企業にとっては利益があっても社会全体で見たときには確実に不利益になります。

 

Uberはデフレと犯罪の温床

Uberはデフレを加速させます。犯罪を増やします。

 

まずはデフレについて。

日本ではタクシーサービスであるUberは規制されています。

しかし、宅配サービスのUberEatsは認められています。

UberEatsはデフレ化政策です。

 

UberEatsのビジネスは「お店が安い賃金で宅配サービスを展開できる」というのがウリです。

本来であれば、お店側がいつでも宅配サービスを行えるように、人材を雇って雇用関係を結んでおくのが筋です。

 

しかし、デフレによって人件費をかけたくないお店はUberEatsに頼らざるを得ません。

そこで働く人は短時間で効率よく稼げるといった謳い文句で安い賃金で働くことになります。

賃金抑制圧力がかかるのでデフレから抜け出すことが難しくなります。

 

次に安全性と犯罪について。

Uber利用規約には「Uberと輸送業者との間には雇用関係は存在しない」と明記されています。

例え犯罪を犯しても、Uberから解雇されることがありません。(雇用関係がないから)

なので犯罪目的でUberのドライバーになるような人も出てきてしまいます。

 

これがタクシー会社のドライバーであれば、犯罪を犯してしまうと、企業から首を切られてしまう恐れがあります。

なのでわざわざ自分の生活を丸ごと投げ捨ててしまうリスクを負うようなことはしない人が多いでしょう。

 

さらに、

イギリスでは「ウーバーのシステムでは、個人タクシー免許のないドライバーが自分の写真を他のドライバーのアカウントに掲載することができた」という理由から事業認可を取り消されています。

Uberのドライバーの安全性も疑われています。

 

わざわざデフレの日本で解禁する必要があるのか?という疑問が浮かびませんか?

 

 

まとめ

堀江貴文さんはビジネスマンとしては一流と思います。

しかし、企業の経営と行政機関の運営は全く違うものです。

それをビジネス感覚でムダを削減、利益最大化を行ってしまうと格差拡大し、都民の分断が起きてしまいます

 

改造、改革といった言葉は新しいことが始まる希望的なものにも聞こえますが、よくよく中身を見てみたらとんでもないものだったというのがこれまでの日本ではよくありました。

まだ目次の段階なので、内容を読んでみるまでは断言できませんが、堀江貴文さんが都知事になってしまうと東京が「破壊」されてしまう恐れを私は感じました。

 

最後に㉛都職員の英語公用語化についてはナショナリズムの破壊のように感じられました。

(文章量的に一言にしました。)

 

 

これを機に多くの国民が政治、政策に興味を持つことを祈ります。